今日も見慣れた景色
やたらと涼しい朝だった。寝てる間に夏が終わったのかと思った。
アパートから会社まで歩いてるうちに、それが思い違いだと知る。汗、そして汗。べつに陽が出てるわけでもないのに。
店が忙しい。忙しさに比例して、余裕がなくなる。
いつもはどんなにやんちゃな子供にも笑いかけられるのに、今日はダメダメ。子供が騒げば騒ぐほど、『親何してんだよ叱れよぶっ殺すぞ』って思いながら働いてた。ごめんね。
今日は、仕事が終わったらコーヒー飲みながら日記を書いて、日記を書き終えたら本を読もうと決めていた。
いつもならスタバだけど敢えてタリーズへ。空いている。ソファ席の端っこを陣取ることができた。
レジで普通にアメリカンを頼めば良かったものを、なぜかパスタセットにしていた。夏野菜のなんたらかんたら。
頼んでから気付いた。夏野菜べつに好きじゃない。嫌いなトマトは入ってなかったからまだ良かったけど、ズッキーニとパプリカの入ったパスタを目の前にしてやっと我に帰った。なんで頼んだんだろう。
頼んでおいて残すのもアホくさいし、思い切って食べてみた。素材の味が全くしなくてわたしでも食べられる!と思ったけど、料理として褒め言葉ではないような気がする。
日記は7月29日から真っ白。8時閉店の時点でまだ31日までしか埋められていない。
結局スタバで残りの3日分を書くことにした。
日記を書き終えて、昨日買った本を開ける。かなり読みやすい。本気を出せば今日中に読み終えそうなくらいだった。
でも、それじゃもったいない。自分で自分にブレーキをかけて、3章まで読んだところで栞を挟む。続きはまたの楽しみに取っておく。
帰り道、自分の足音が聞こえるか聞こえないかくらいの音量で音楽を聴きながら歩いた。夜風が涼しく心地よい。
玄関を開けると、昼間の暑さをギュッと凝縮したような空気がわたしの帰りを待っていた。さっきまでの心地よさはどこへ。冷房が効くまでの時間が永遠に感じた。