みずたま日和

どうってことない出来事

静かに過ぎる日々には色は無い

なんでもない日のちょっとした日記がたまってきたので、まとめてブログにする。これらは全部同じ日ではなくそれぞれ違う日の出来事。

 

朝起きて、燃えるゴミを捨てに行く。ゴミ袋はふたつ、両手に持って徒歩一分。

高校生の時に友達とお揃いで買った古着のトレーナーは、大きくディズニーのキャラクターがプリントされている。着替えるのも面倒でそのまま出てきてしまったけど、誰ともすれ違わずに済んでよかった。

 

久しぶりに買い物に出かける。出かけると言っても徒歩5分、日用品の買い物だ。

ついでにブックオフに寄った。店内を見てまわってるうちに「ここにあるもの全部、一度は手に入れたのに手放した人たちのものなんだ」と思ったら、なんか果てしない気持ちになって、ちょっと気持ち悪くなった。自分でもよくわからない。

文庫本を2冊と、やってみたいなと思っていたボールペン字の教則本を1冊購入。ボールペン字の練習用にcampusのノートも買った。中学生のとき、このノートに日記を書いてたっけ。今も捨てられずに取ってあるけど、読む気にはならない。

 

雨が降り始めた。外に干してきた洗濯物のことを思いながら、早歩きで帰る。家に着くころには雨は少し強くなっていた。慌てて窓を開けると、どの家からかわからないが強烈なごま油の匂いがする。不思議に思いながら、急いで洗濯物を取り込む。

すると、あっという間に小雨になった。空は明るく、遠くには青空も見えているのに、微妙に降り続ける雨。それをベッドの中から眺めながら横になる。

 

無職生活も一週間が経ち、すっかり慣れてしまった。朝から活動的に掃除洗濯する日もあれば、一日中なにもせずに過ごす日もある。

この数日間、断捨離をコツコツと進めたおかげで、部屋がかなりスッキリしてきた。今も寝室の隅には、空っぽになったカラーボックスがふたつ、捨てられる日を待って並んでいる。

 

最近は、日本地図のパズルとクイズのゲームアプリを落として、勉強をしてる。

わたしは昔から社会や地理の勉強が苦手で、それは大人になっても変わらず、恥ずかしながら仕事を辞める前のわたしは日本地図が半分も分からなかった。

でも、仕事を辞めて時間が有り余っている今、苦手なことをなくそう!とアプリを落としたわけだけど、よくよく考えればアプリを落としてパズルやクイズのゲームをするなんて、働いている時だって出来たわけで。結局、気の持ちようなんだな、と思う。わたしは仕事を辞めるまで、その気になれなかったというだけのことだ。

アプリを落としたての頃は、47都道府県すべて答えきるのに4分ほどかかっていたけど、今では1分半までタイムが縮んだ。

都道府県の名前を聞いても、「上の方」「下の方」くらいにしか分からなかったわたしが、今では「島根の隣」「鹿児島の上」とか具体的な場所が分かる。「ハンマーヘッドシャークみたいな形」とか「金魚みたいな形」とか「千葉みたいな形」とか変な覚え方だけど、「ちゃんと覚えられている」ということが自分で嬉しい。

逆に、地震のニュースで「岐阜が」「鹿児島が」と報道されるたび場所が分かるようになったぶん、想像できてしまって苦しくなるようになった。今日は特に地震が多くて気が滅入る。わたしの住む街も5回ほど揺れを感じた。こないだ詰めた防災バッグ、使う日が来ないことを願う。

 

生理痛が酷い。一日をほとんどベッドの上で過ごした。寝室の換気のために少しだけ開いている窓から、雨音が聞こえる。雨脚は強くなったり弱くなったりを繰り返している。

綿矢りさの「私をくいとめて」を読みはじめた。中古で買ったから古い作品なのかと思ったら、今年の2月に発売されたものと知って驚いた。まだ読みはじめて最初のほうだけど、文章が好きだなぁと改めて思う。

わたしも文章を書くのは好きだけど、物語を書くことは到底出来ない。尊敬する。

 

会社を辞めて一週間。実際には有給消化中なので、今も在籍していることになっている。本当の退職日は来月20日。残り約一ヶ月。

毎日なんとなく過ぎていく毎日に、危機感をあまり感じないのは「まだ有給消化中だから」とどこかで安心しているからなんだと思う。あと一ヶ月したら、わたしはどこにも属さないなんでもないただの無職になる。再就職のこともバイトやフリーターになることも考えていない。一ヶ月なんてあっという間なんだろうな、と思うと恐ろしくなる。

両親には当たり前のように家業を継ぐと思われている。それでもいいと思っていたわたしも確かにいた。だけど、今更「それでいいのか」と思う自分も現れた。

親の言う通りに動けば、それが一番簡単だ。だけど、それはわたしのしたいことではないような気がする。だからといって、本当に自分のしたいこと?わからない。わからない。

見えない何かに急かされているような、背中を蹴飛ばされてるような、そんな気持ち。その気持ちを押し込めながら、またベッドに吸い込まれて今日も一日が終わる。

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